岸本斉史『NARUTO』解説あらすじ

岸本斉史

始めに

始めに

今日は『NARUTO』レビューを書いていきます。

スタイル、背景知識

忍者物語の集大成、スパイもの、陰謀もの

 本作は忍者物語の集大成で、本当に過去の忍者作品を研究し尽くしたのだろうなということが伺えます。前近代の『太平記』から戦前の立川文庫、戦後の村山知義、山田風太郎(『魔界転生』)、白土三平など、本当にあらゆる作品のエッセンスが盛り込まれています。従来、忍法もののフィクションというのは太平記における役回りからしてそうですが、アナーキーで反権力的な主題を孕むものが多かったですが、本作は木の葉隠れの里のリーダー・火影を目指す主人公がトップへと突き走るドラマが描かれるのが特徴です。  

 木の葉の里というコミュニティや忍者の世界の中での矛盾や不正はさまざまな形で現れ、敵となる忍者たちはそうした里の矛盾をナルトに突きつけてきます。やがて火影となるナルトにとって乗り越えるべき課題を、章のボスとなる敵たちは刃として向けてきて、ナルトに立ち向かいます。

鳥山明、サイバーパンク(大友克洋)風のアジアテイスト、無国籍

 本作は岸本の好んだ鳥山明、大友克洋(『AKIRA』)のような、アジア風味で無国籍でもある忍者の世界が印象的です。サイバーパンクジャンル、テクノワールジャンルの代表的映画『ブレードランナー』のような、独特のムードを醸しています。続編の『BARUTO』は、特にサイバーパンク的色彩が強く、DBの人造人間編の影響が顕著です。

親友の変節と、あり得たかもしれない現在

 本作品は岸本が私淑した大友克洋『AKIRA』のような、親友の変節をめぐるドラマになっています。そしてそのモチーフは前世や先輩格の忍者のエピソードと反響しながら、ほんの少しボタンが欠け違っていたら、別の形で二人が衝突していたかもしれないという、あり得たかもしれない現在をめぐる物語になっています。人間という生物は、目的論的推論能力を駆使してシミュレーション、リハーサルを繰り返して、絶えず自身の振る舞いを情動なども駆使しつつ、調整していく動物です。同様の親友の変節を描く伊藤計劃『ハーモニー』に関する記事でも少し触れましたが、そのような認知的プロセスこそ人間の本質的部分です。

 少しのボタンのかけ違いで変わっていたはずの運命を思い遣らせ、読者の胸を打ちます。

バトル漫画としては…

 よく言われますが、少年編の方がバトルの戦略性、機知は上回っていて、青年編の中盤あたりからバトルは大味にはなっていきます。強い方が勝つので、駆け引きがあまりない感じです。その点『金色のガッシュ!!』とかと近いです。

 あと幻術のせいでなんでもありになってしまっています。「状況Aで絶体絶命」→「幻覚でした」の流れが多すぎます。

物語世界

あらすじ

主人公ナルトは、忍者を目指しアカデミーに通っていました。恩師・うみのイルカに認められ、下忍になります。下忍になったナルトは同期のうちはサスケや春野サクラと共に、上忍のはたけカカシの第七班に配属され、ナルトは九尾の力を、サスケは写輪眼の力を目覚めさせていきます。

総評

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参考文献

・門倉紫麻『漫画脳の鍛え方』(2010.集英社)

・戸田山和久『哲学入門』(2014.筑摩書房)

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