はじめに
『金田一37歳の事件簿』が最近連載されています。金田一が謎をときたくない理由が謎になっているので、それを考察していきます。
- 解きたくない理由は速水玲香に関わる過去の事件が原因(ほぼ確定)。
- 個人的にはその事件で金田一が真相の解釈を失敗した説を唱える
考察
先駆者さんの意見を踏まえて
すでに、有識者(?)の間では速水玲香に関する事柄であろうことが推察されていて、これに関しては疑いにくいと思います。
「はじめが玲香ちゃんの”あの事件”以来本当は事件にかかわりたくないのわかってる」
「殺人二十面相」
という金田一二三のセリフなどがあるためです。
「息子さんのお父さんは…まだ…?」
「函館異人館ホテル新たなる殺人」
というはじめのセリフが歌島ホテルでの速水玲香との会話であり、玲香の育てる子供の父親が、謎を解きたくない理由に関わっているだろうことが読み取れます。
とはいえ、この先は意見が分かれます。
上記のサイトでは、速水玲香の父親を、金田一一が、その事件の犯人が、速水玲香の子供の父親に当たる人物だと突き止めてしまい、それが金田一のトラウマになったと予想しています。
上記の記事では、過去の事件で真犯人に仕組まれる形で推理ミスをし、「お父さん」を誤って容疑者認定、そこで真犯人に襲われて植物状態になる、としています。
私は、ここで後者に近い立場を取ります。
私見
なぜ前者の意見のように、速水玲香の父親を、金田一一が、その事件の犯人が、速水玲香の子供の父親に当たる人物だと突き止めてしまい、それが金田一のトラウマになったとは考えないのかというと、作品のテーマや金田一のキャラクター、シリーズの傾向からして、残酷な真実を発掘してしまったために謎を解きたくなくなる、とは考えにくいと思うからです。
金田一はこれまでや今回のシリーズで、親友や家族の恋人など、自分にとって大切な人や間接的に大事な人の犯行を暴くことをも耐えてきました。悲劇的なバックグラウンドのある人の犯行も追及してきました。そんな主人公が、真実が明らかになったことの帰結を恐れて探偵活動をやめるとは、個人的には考えにくい印象です。
一方で、はじめが犯人に出し抜かれたり危うく敗北しかけた旨を吐露した場面は何度か(首吊り学園、悲報島)ありました。また探偵としての合理的な推論では正解を導き出せない事件(犯人の短絡的な行動。偶然の介入)もあり得ます。このようなことからはじめの敗北は十分にあり得ます。
なので私は後者に近い、金田一が玲香の事件で推理や判断ミスをして、その帰結として息子の父親役が冤罪で逮捕されるor重傷を負って植物人間になった説をとっています。間違った解釈をした結果、自分の無力さや無能さを思い知り、探偵活動を避けようとする方が、金田一のキャラクター的にしっくりくる印象です。
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