黒歴史?!『金田一37歳の事件簿』レビュー!!

さとうふみや

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始めに

始めに

 実はこのブログのタイトルやハンドル名は金田一作品のあるエピソードに因んでいます。それくらい金田一少年を愛しています。しかしだからこそ言いますけれど、37歳の事件簿はひどいです。

スタイル、ジャンル、背景知識

J=D=カー、横溝正史風の象徴主義、古典主義風味のケレン!!は何処へ…

 『金田一少年の事件簿』といえば、J=D=カーや横溝正史、最近だと三津田信三(『首無しの如き祟るもの』)、京極夏彦(『姑獲鳥の夏』)などを彷彿とさせる象徴主義、古典主義風味のケレンです。毎回ゴシックなおどろおどろしい舞台装置に謎の怪人が現れ一同を混乱に陥れる妖しさが堪らないのです。大仰な言い回しや演出も癖になります。そこが好きなのでシリーズのファンでいます。

 …のはずなんですが37歳の事件簿は全体的に短編シリーズ風のコメディタッチのノリで、ドロドロしたゴシック風のドラマを見ることができません。『名探偵コナン』とかと近い、あっさりした推理読み物になっています。金田一少年に求めるものがないんです。

不人気キャラ(高遠遥一)ゴリ押し、みゆき不在、出番の少ない旧作キャラ

 謎に高遠遥一がゴリ押しされるのは相変わらずで、オリンポス神に準えた刺客を送り込んできます。それとなぜかヒロイン・七瀬美雪がほぼ登場せず、出番は電話のみです。その代わりに葉山まりんという新ヒロインがいるのですが、どうせ犯人か殺されるための新ヒロインなのでなかなか白けるものがあります。それともう一人新キャラクターが途中で出てきたんですけれど、もう名前も忘れました。

 とにかく全体的にレギュラーキャラの扱いが悪いです。なのでファンにはキツいものがあります。唯一、真壁だけは刑事として金田一の相棒になり、性格も丸くなっていたところだけは評価したいです。

カスみたいなトリック

 今回のシリーズは普通にミステリーとしてレベルが低いです。舞台装置の過去作オマージュは嬉しいですが、トリックがスカスカなので全然ピンと来ません。20周年記念シリーズといい勝負のクオリティです。しかも『殺人二十面相』とか、トリックは簡単なのに犯人当てだけ作画ミスも相まって異様に難しいという点で『薔薇十字館殺人事件』を彷彿とさせる酷さです。

誰も興味のないサスペンス(高遠の思惑、金田一が謎を解きたくない理由、美雪不在の理由)

 この作品の大きな謎として、高遠の目的、金田一が中年になって謎を解きたくなくなった理由、美雪不在の理由などがサスペンスを構成しています(謎を解きたくない理由考察はこちら)。

 けれども正直、どうでもいいです。どうでもいいというか、気にはなるけど気にならないくらいの感じで、大体それだけで何年も引っ張りすぎです。

まさかの休載。しかも少年シリーズが再開…

 なんとびっくり。『37歳の事件簿』が完結しないのに、30周年記念シリーズの少年編が再スタートしました。なんだかオフィシャル黒歴史化しつつあるのではないかという予感がします。もういっそ、夢オチで完結でもいいです。

総評

滑り倒し気味のファンサービス。数話で終わりでよかったのに…

 出オチみたいなネタを長く引っ張りすぎて引くに引けなくなった黒歴史確定コンテンツです。なんならこのまま無期休載でもいいです。

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