久保帯人『BLEACH』あらすじレビュー

2000年代

はじめに

久保帯人『BLEACH』解説あらすじを書いていきます。

 

演出、背景知識

作風

 久保帯人は水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』や車田正美の『聖闘士星矢』の影響があります。

 ファンタジーとしての世界観は本作も鬼太郎の影響が顕著です。

 漫画の演出、画風は『聖闘士星矢』の影響が大きいですが、かなり久保帯人自身の固有のスタイリッシュなセンスが伺えます。

新選組

 物語の設定は、新選組もののバリエーションです。護廷十三隊は新選組を意識しています。

 尸魂界の警察組織の護廷十三隊は、山本元柳斎重國の創設で、尸魂界の護衛及び現世における魂魄の保護、虚の退治をします。

 全権を握るのは総隊長で、各隊とも隊長によって雰囲気が異なります。

ジョジョ的召喚バトル

 本作はジョジョ三部以降の召喚バトルものです。

 死神の武器は斬魄刀と呼ばれ、これは始解、卍解という二段階に発動する固有の能力を持っていて、これを用いて戦います。

 敵は虚や死神、滅却師と呼ばれる存在など、様々です。

物語世界

あらすじ

 霊感が強い高校生の黒崎一護は、悪霊退治に来た死神である朽木ルキアと出会います。人の魂を喰らう悪霊の虚(ホロウ)に襲われ、一護はルキアを信じざるを得なくなります。家族が襲われたため虚に立ち向かう一護ですが、虚に敵わず、一護を庇ったルキアは重傷を負います。ルキアは一護に死神の力を分け与えることを提案し、一護は死神となって虚を退けます。
 しかし、一護が予想以上に死神の力を吸い取り、ルキアは死神としての力を失います。そこでルキアは、自身の力が回復するまで死神代行を一護に迫ります。家族を救ってもらった恩があるためしぶしぶ死神代行を引き受ける一護でした。
 ある日、同級生の石田雨竜が一護に勝負を仕掛け、大量の虚が空座町に現れます。また茶渡泰虎と井上織姫の2人が隠された力を発揮します。

所感

テンポが悪い漫画

 画力と演出力、デザインセンスは圧倒的ですが、本作は全体的に作品のテンポが悪いです。

 作者はライブ感といって、細かい設定よりもオンタイムの盛り上がりを優先するような旨を伝えていましたが、正直オンタイムでも盛り下がる局面が多かったし、勢いとテンポが悪い場面が多いです。

 作品の悪癖として、サスペンスを演出するのに、実力が一定以上ある既存のキャラクターを敗北させて敵の強さと逆境を演出する展開があまりにも多いです。たしかに「敗北→リベンジ」の流れは敗北がフックになってその勝利のカタルシスを増幅させうることもあるでしょうが、あまりにしょうもない敗北が多すぎるため、単純に敗北を挟む分でテンポが悪くなるのと、敗北キャラの印象悪化が著しいです。

 それと尺調整が苦手なのか、終盤のジェラルドや、中盤のザエルアポロなど、同じ敵とダラダラ延々続く悲しいマラソンみたいなバトルが多いです。

バトル漫画としては大味

 バトル要素も大味です。ジョジョ以降の相性や戦略性重視のバトル漫画のはずですが、駆け引きが面白いのはマユリや浦原など一部のバトルに限られ、基本的にはステータスが強いほうが勝つという『ドラゴンボール』みたいな倍々ゲームバトルです。

 ただ斬魄刀のアクションはバリエーション豊かで魅力的です。

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