小畑健作画『ヒカルの碁』あらすじレビュー

1990年代

始めに

小畑健作画『ヒカルの碁』解説あらすじを書いていきます。

 

背景知識、作風

構成

 作品は二部構成で、主人公ヒカルと佐為の出会いやアキラとのライバル関係を描いた第一部「佐為編」、その後のヒカルの活躍を描いた第二部「北斗杯編」から構成されています。

 前半で佐為との交流と別れ、そして後半でそれからのヒカルの闘争が描かれる、という内容です。

 結構第二部は評判が世間的には悪く、正直自分も佐為がいなくなってから魅力的なキャラクターが減ってしまって、話の流れをパッと思い出せないです。

スポ根漫画

 囲碁を描く漫画ですが、全体的にはスポ根漫画のバリエーションです。

 囲碁については、基本ルールの説明だけで、対局の進行描写や技術解説は省略されています。それなので、囲碁に詳しくない人でも手軽に楽しめる一方、譜面の流れはプロが監修しているそうなので、経験者もそれを見て楽しむ事ができます。

物語世界

あらすじ

 運動好きで頭を使うことが嫌いな小学校6年生進藤ヒカルは、祖父の家で古い碁盤を見つけます。碁盤の血痕に気づいたヒカルは、碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士である藤原佐為の霊に取り憑かれます。

 囲碁のルールも歴史も知らないヒカルですが、「神の一手を極める」という佐為にせがまれて碁を始めます。

 対人で囲碁が打ちたい佐為のために、ヒカルは碁会所を訪れ、同年代の塔矢アキラと出会います。アキラはトッププロ棋士塔矢行洋の一人息子で、すでにプロ級の腕前を持っています。しかし佐為の指示通りに石を打って対局した結果、ヒカルはアキラに力量差を見せつけて勝利します。

 愕然とするアキラはヒカルを意識するようになるものの、プロの苦難を知らず軽口を叩くヒカルに激昂します。本気で挑んだ再戦は敗北で、アキラはヒカルを自分の倒すべき目標に掲げます。ヒカルもアキラに感化され、囲碁に熱中します。
 他方、塔矢行洋は息子のアキラを倒したヒカルに注目するようになり、佐為も現在の囲碁界の最強者の行洋と対局してみたいと願うのでした。

所感

良質のスポ根

 全体的に良質のスポ根という感じです。囲碁という題材の新しさ、佐為の幽霊との共闘という独創的なアイデアはあるものの、面白さのベクトルとしては既存のスポ根の範疇を出るものではないです。

 とはいえ小畑健の画力が圧倒的なので、全体的に演出がハイレベルで、見応えがあります。

キャラの精彩の乏しさ

 佐為のいなくなった第二部はやや評判が悪いですが、本作は全体的に印象に残るキャラクターかま少ないです。佐為がいなくなってから、それにさらに拍車がかかります。

 もともと第二部までの構想はなくて、第一部までの予定だったそうなので、第二部は特に記憶に残らないキャラクターばかりです。そもそも主人公のヒカルもキャラが立っているとは言い難いです。

コメント

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