はじめに
『ジョジョの奇妙な冒険 第一部』解説あらすじを書いていきます。
演出、背景知識
ルネサンス、バロック
ジョジョというシリーズを特徴づけるのは、なんと言ってもルネサンス、バロック絵画のような、誇張的な筋肉描写です。『北斗の拳』などの先駆もありますが、あちらよりもスタイルとして遥かに洗練されています。
年代記
シリーズを特徴付けるのは、年代記としてのデザインです。
年代記としてのデザインはスタインべック『エデンの東』の影響が知られ、さながらゾラ(『居酒屋』『ナナ』)のルーゴン・マッカール叢書のように、特定の血族の変遷を追いかけていきます。
主人公となるのはジョースター家の血を引き継ぐキャラクターたちで、それがディオの系譜を継ぐキャラクターと死闘を繰り広げます。
バトル漫画として
シリーズを特徴づける召喚バトルとしての戦闘はシリーズの3から確立し、1と2はまだ、体術による戦闘になっています。
体術は波紋と呼ばれる要素によってパワーアップさせられ、これによって主人公は敵と戦います。
とはいえ、第一部序盤はバトル漫画としてのテイストは希薄で、後半から終盤にかけて戦闘要素が現れていきます。
物語世界
あらすじ
舞台は1880年のイギリス。父の死をきっかけに名門貴族ジョージ・ジョースター卿の養子となった貧民街出身の少年ディオ・ブランドーは、ジョースター家の乗っ取りを計画します。ジョースター家の跡取り息子であるジョナサン・ジョースターはディオに陥れられて孤立し、初恋の相手であるエリナ・ペンドルトンを辱められたため、怒りディオを倒します。
1888年。大学卒業を控え、ディオはまだジョースター家の乗っ取りを諦めません。ジョナサンは、貧民街のボスである青年ロバート・E・O・スピードワゴンの協力により、ディオの悪事を暴くものの、彼はジョナサンが研究していた石仮面をかぶり、吸血鬼へ変身します。ジョナサンは屋敷に放火し、ディオを退けて生還します。
その後、ジョナサンの前にウィル・A・ツェペリが現れ、ディオと石仮面が健在だと告げます。ツェペリから石仮面に対抗する力「波紋」を学んだジョナサンは、仲間たちとともにディオの潜伏する「風の騎士たちの町(ウインドナイツ・ロット)」で、ディオの下僕である屍生人と戦います。ジョナサンはツェペリを失いつつ、ディオとの一騎打ちに勝って石仮面を破壊します。
1889年2月にジョナサンとエリナは新婚旅行に出るものの、客船に首だけになったディオが現れ、ジョナサンの肉体を乗っ取ろうとします。船内は屍生人で溢れ、ディオの攻撃で致命傷を負ったジョナサンは、波紋で客船を爆破します。ジョナサンはディオの首を抱きかかえながら息絶えるのでした。
エリナは赤子を抱き抱え、船外へ脱出していました。その赤子はエリナの胎内に宿るジョナサンの子とともにジョースターの血統を受け継いでいます。
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