伊藤潤二『富江』あらすじレビュー

1980年代

はじめに

伊藤潤二『富江』解説レビューを書いていきます。

 

演出、背景知識

怪奇漫画

 伊藤潤二は、怪奇漫画を代表する作家です。

 楳図かずお、古賀新一らの怪奇マンガを幼少から好んでいたそうで、楳図のセンスオブワンダーからの影響も顕著ですが、絵柄としては古賀新一からの影響が顕著です。

 本作も、古賀のように洗練されたスタイルで、ファム=ファタールである富江とそれを取り巻く人々を描きます。

富江をめぐる連作

 ヒロイン川上富江は美貌の少女です。しかし性格は傲慢で身勝手です。富江に恋する男たちはみな彼女に異常な殺意を抱くようになります。殺されても、富江は死にません。何度殺害されても甦ります。身体をバラバラにしても、その肉片1つ1つが再生し、死亡前と同じ風貌と人格を備えた別々の富江となります。

 そんな得体のしれないファム=ファタールである富江と、それを取り巻く男たちの暴走をグロテスクに描く連作的ストーリーで、物語全体はあまりかっちりとした全体性を持っていません。

物語世界

あらすじ

 川上富江は、長い黒髪、妖しげな目つき、左目の泣きぼくろが印象的な、美貌の少女です。しかし性格は傲慢で身勝手でした。

 やがて、富江に恋する男たちはみな彼女に異常な殺意を抱くようになります。富江を独占したいから、富江の高慢な性格に挑発されたから、富江の存在の恐怖に駆られたから、といった理由で彼女を殺害します。

 しかし、富江は死にません。何度殺害されても甦ります。身体をバラバラにしても、その肉片1つ1つが再生し、死亡前と同じ風貌と人格を備えた別々の富江となります。

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